メタルギア小島監督「一般的なゲームのボス戦はテンプレばかり。僕のゲームのボスは違う」
・最もクリエイティブにデザインされたボス戦を担当しているのはあなたです。
忘れられない出会いを生み出す秘訣は何でしょうか?
小島
昔からゲームのボス戦の大部分は同じような構造になっています。
ユーザーが自分の技量でボスを倒す必要があるため、
その多くは固定観念に縛られたものになっています。
あまりにも奇抜なものを導入すると、
プレイヤーはどうやって反撃すればいいのかわからなくなり、ボスを倒せなくなる。
ボス戦は、あるエリアに辿り着くと、いきなり大きな強そうな敵が登場し、紹介もなく出口が塞がれる。
追い詰められたユーザーは、なぜ撃たれているのか、何の動機も理解もないまま、
攻撃をかわしたり、急所を見つけたり、敵の弱点を突くチャンスを狙ったりすることに集中し始めます。
21世紀の今でも、ほとんどのボスはこのような状態です。
誰も文句を言わない。
どちらかと言えば、それが現代のボス戦らしいボス戦のスタンダードとして歓迎されます。
しかし、そうであるならば、ボスも単純なシグナルと変わりません。
しかし、ボス敵もまた人間(あるいは人間に相当する存在)であり、
それを反映したアイデンティティを持つべきである。
ホドロフスキーの『エル・トポ』(1970)に描かれているように、
敵にもそれぞれの思考やライフスタイル、戦う理由がある。
つまり、キャラクターの育成、性格、ビジュアル、セリフ、好み、攻撃方法、弱点など、
これまでゲームではおろそかにされてきた要素をアクションゲームに取り入れる。
それが私のやり方です。
戦闘中は敵を理解する。 バトルを通して、敵を許すようになる。
そうすることで、勝者は敗者の人生を吸収することができる。
そうすることでゲームが生きてくる。
これは映画ではなかなかできないことです。
http://www.bafta.org/games/features/the-fellowship-hideo-kojima