なろう作家「1438×1155=1660890」
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「で、ではナオミ様、1438×1155はいくつでしょうか? これは難しいので制限時間は、そうですね、3分で・・・」
「1660890だな」
「なっ!?」
俺が一瞬で答えると、シルビィがあっけにとられたような声を上げた。さっきから一体どうしたっていうんだ?
「ナ、ナオミ様はもしや天才でいらっしゃるのですか?」
「へ?」
「ご主人様、すごい! 一瞬であんな難しい計算を解いてしまうなんて」
「強さだけではなくて、頭も良いなんて、マサツグ様は本当に完璧超人ですね!!」
「文武両道っていう言葉はきっとマサツグさんのためにあるのね~」
少女たちも俺を褒めてくる。
うーん、まあ、確かに俺は地球にいた頃でも、普通に計算が得意な方で、数学も自然と出来てしまうタイプだったが・・・。
「大したことじゃないだろう?」
俺はそう言うが、シルビィは首をフルフルとすると、
「とんでもありません。私も計算はできますが、それほどはやく計算をすることは不可能です。ナオミ様ほどの数学能力を拝見したのは初めてですよ。あ、まさか暗算のスキルなどをお持ちなのでしょうか?」
「いや、持っていないが?」
「そ、そんな、ではどうやって一瞬でそんなにはやく計算をしてらっしゃるのですか!?」
「うーん、どうやってと言われてもな・・・。単に頭の中で式をつくって自然に計算しているだけだが・・・」
「すごい・・・。私の知る限り、ナオミ様ほどの計算能力を持つ方は初めてです。
しかもスキルなしだなんて前代未聞です・・・。その知能だけでも、この国の財政面を動かすだけの力があるように思いますよ。
そ、そうだ、ぜひギルドの幹部にご就任頂けないでしょうか? 父には私からお願いしますから!」
などと、いきなり俺をヘッドハンティングしようとするのであった。
まぁ、俺ほどの才能を持つ人間を引き抜こうとするのは自然な感情だろう。
彼女の行動は急すぎたものの、理解できなくはない。
だが、残念ながら俺には孤児院を運営するという崇高な使命があるからな。