【正論】リゼロ作者「無職転生やリゼロが売れた理由は『主人公が楽をしないから』、他のなろうアニメはストレスフリーだからつまらない」
「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」特集 理不尽な孫の手(原作者)×長月達平対談
コミックナタリーではこのたび、原作者である理不尽な孫の手と、
「無職転生」と同じく今クールに放送中のTVアニメ「『Re:ゼロから始める異世界生活』2nd season」の原作者である長月達平(鼠色猫)による対談を実施した。
同時期に小説家になろうで連載をスタートした2人は、ともに「猫さん」「孫さん」と呼び合う間柄。
そんな2人に、アニメ「無職転生」に期待していることや制作裏話、原作の魅力、そして創作にかける思いを語ってもらった。
孫の手
だから「リゼロ」は世界観がしっかり作られていて、そこが魅力になっているんだと思います。
あと「リゼロ」の魅力といえば、最終ループのクライマックス部分。困難に次ぐ困難がきて、絶望に次ぐ絶望がきて。
僕だったら、そのときにもう1回ループさせちゃって、次は余裕を持ってクリアさせちゃうと思うんですよね。そういう無駄なループがない。
読んでいて緊迫感がある、ループものなのに余裕を持たせないっていうのが「リゼロ」の面白さじゃないかと思います。
長月
作品の特性上、無限にループができるとダレていくというか、どこかで手抜きループが出てくる。
だから読者が緊張を維持できるよう、苦しい死に方をさせたり、楽々と抜けられないようにしたりしています。
孫の手
そこは「無職転生」との共通点かもしれないですね。
「手に入れた能力があっても、簡単に困難を乗り越えることはできない」という。アプローチは違いますけどね。
長月
そうだね。なんだかんだいって「無職転生」や「リゼロ」がウケた理由は、主人公が楽をしないからなのかもしれない。
だから「ストレスフリーなほうがウケる」みたいな話があるんですけど、あんまり実感として感じたことがなくて。
孫の手
むしろストレスフリーだと、どこかで頭打ちになっちゃう印象すらある。
長月
ストレスフリーだと、面白さの数値が100まではいけても、その先にはいけない気がしていて。
俺らの書き方は、がんばり次第では150ぐらいまでいけると思っています。
苦難を与えて、そこをいかに乗り越えるかというドラマを描きたいんですよね。
孫の手 そうだね。