押井守「今のハリウッド映画やゲームはポリコレのせいでつまらない。多様性がどうとか全く興味ない」
── 今回はポリティカル・コレクトネスで選ばれたような作品が多かったですね。だから、押井さん的にも不調だったのでは?
押井 そうです。全不調。唯一ポリコレじゃなかったのは(デヴィッド・)フィンチャーの『MANK/マンク』じゃないの? さすがフィンチャーだと思ったけどね。
韓国移民を描いた『ミナリ』なんて、私の人生には1ミリも関係ない映画だった。
観るものがなくなっても観ないような作品。
これは今年の色を最も強く反映しているんじゃないの。移民で人種で家族の話。
今のハリウッドはもうソッチに振りきれている感じ。ハリウッドはエンタメの殿堂だったはずなのに、そういう映画は見事に抹殺されている。
今年のオスカーを選んだ感想としては、ポリコレに振り回され、ハリウッド映画が面白くなくなった、これに尽きますね。
妙に真面目な社会派的な作品ばかりで、まるで裃(かみしも)をつけているようにかしこまっている。エンタメの匂いゼロですよ!
押井 洋ゲーと同じだよ。知ってる?
洋ゲーの世界からかわいい女の子、美しいおばさんやおねえさんが一掃されちゃったんです。
登場するのは●スばっかり。ゲーマーたちは怒り心頭状態ですよ。
── ゲーマーのほとんどは、ゲームの世界くらいかわいい子と遊ばせてください、というつもりですよね?
押井 そうです。かわいい子と遊びたいからゲームをやっているといっても過言ではない。
そういう本来の欲望よりポリコレを重視するなんてありえません!
日本のゲームはまだ大丈夫ですよ。
かわいい子のオンパレードだからいいけど、私のように洋ゲーやっている人にとっては大変なことですよ……
といっても私、この5年間は『fallout4』しかやっていないんだけど(笑)。
── そのタイトル、さすがに私も覚えましたよ(笑)。
押井 日本のゲームの女性キャラクターはちょっと特殊で、かわいい子というか、色っぽい女の子ばかり。
成熟した大人の女性キャラクターはあまりいない。そういうのはやはり洋ゲーになるんですよ。
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