FF7Rさん、安倍元総理銃撃事件の影響で発売中止の危機と報じられる
『ファイナルファンタジーVII』(FF7)といえば、日本のゲーム史に燦然と輝く名作RPG。しかしリメイク版が発売されたことで、あらためてその内容が物議を醸している。争点となっているのは、「アバランチ」による爆破テロの正当性だ。
共感できない?「アバランチ」の罪
同ゲームを起動すると、まず真っ先に待ち受けているのが爆破テロのシーン。実行犯の組織「アバランチ」は、星を守るために、「魔晄炉」という施設を襲撃する。というのも「魔晄炉」で「魔晄」というエネルギーが過剰に採取されると、土地の腐敗や空気汚染が引き起こされるからだ。
環境問題の解決というまっとうな目的があるものの、その手段はきわめて過激。大規模な爆発によって、無関係な人間が何人も犠牲になったことが示唆されている。また発電も担う施設だったため、経済的損失についても「10億ギルはくだらない」と言及されていた。
リメイク版では、メンバーの心情や爆破テロに絡む思惑などがPS版とは違った形で提示されている。しかしいずれにしろ、主人公も加担するテロ行為にドン引きしてしまう人は少なくない。
ネット上では、《主義主張はともかく、テロに屈する事だけはいけない…》《結果的に神羅が間違ってたにしたって、アイツらの思想は狂ってる》《リメイクで明確になったのが、民衆の犠牲は仕方ないと自分らの信条を貫いたアバランチと、報酬の為なら何でもやるクラウドが実際にテロ起こして民衆の犠牲も出したのだから、セフィロスのやる事を批判できる立場にはないよね》と激しい批判が巻き起こっていた。
テロ行為について考えさせるシナリオ
おそらく人々が拒否感を示すのは、「アバランチ」の方針が目的のために手段を正当化する“テロリズム”にあるからだろう。これはフィクションにかぎった話ではなく、現実でもさまざまな議論を巻き起こしている。
とくに最近では、安倍晋三元首相が演説中に凶弾に倒れるというおぞましい事件が勃発。一種のテロ行為として世間に衝撃を与えたが、そんな空気の中で「アバランチ」のやったことを思い出す人も見受けられた。
ただ、「FF7」は決してテロを美化して描いた作品ではない。リーダーのバレットは、PS版において後に「多少の犠牲は仕方なかった」と発言し、その心理を周囲から糾弾されていた。
もとよりバレットは大義名分こそあったものの、根本は「神羅」への復讐心に突き動かされていた人物。最初から正義の味方ではなく、その行為の是非はゲームを進めていくプレイヤーが考えるべきものだ。
「FF7」リメイク版のストーリーは、PS版とは違った展開になるとも推測されているが、令和のアバランチはどのようなケジメがつけられるのだろうか…。