Z世代、ゲームのチート行為に手を染め、家宅捜索受ける。親仰天。「こんなことで事件に…」
ゲームを改ざん「チート行為」に手を染める未成年増加◆「こんなことで事件に」憤る親も #令和の子
https://news.yahoo.co.jp/articles/edd5d39fe3f626b6f19bd768029850b9cd680a36
◇氾濫するチート動画
チート行為とは、ゲームのプログラムを不正に改ざんして、制作側が意図していないような動作をさせる行為を指す。SNSや動画サイトで検索すると、敵を一撃で倒せるようにしたり、アイテムを無限に増殖させたりと、人気ゲームで「通常ならありえないプレイ」をしている映像がいくつもヒットする。
近年問題となっているのが、こうしたチート行為の若年化だ。ゲーム機やスマートフォンの発展・普及により、オンラインゲームやネット動画に触れるタイミングが急速に低年齢化。小中 学生でも簡単にチートに関する情報を得られるようになり、10代が業務妨害などの罪に問われるケースも相次いでいる。
◇「8歳でチート知った」家裁送致された男性
「他の人にチートを見せびらかして、特別なプレイヤーになれるのが面白かった」。東京都内に住む男性は、淡々とした様子でそう振り返る。18歳だった2021年、スマートフォン用ゲームアプリ「人狼ジャッジメント」でチート行為を繰り返したとして、電子計算機損壊等業務妨害の罪で家裁送致された人物だ。運営企業から損害賠償を請求され、今年5月に謝罪と解決金の支払いをすることで和解。金額は非公表だが、「100万円を大きく超える額」という。
初めてチートの存在を知ったのは8歳のとき。「親のスマホでユーチューブ動画を見ていて、『バイオハザード5』で変な挙動ができるのを知った。いいなあ、とうらやましく思った」。中学2年生になり、パソコンを与えられると、どんなゲームでチートができるか手当たり次第に試すようになった。次第に、ありえない挙動で他のプレイヤーを驚かせることが快感になっていったという。
◇突然の家宅捜索、親は仰天
「人狼ジャッジメント」では、チートで他のユーザーに嫌がらせをしたり、購入していないアイテムを使えるようにしたりと、3400件超の不正行為を繰り返した。アカウントを利用停止にされるたび、新しいアカウントに「転生」。画面にはその都度「法的措置を取る可.能性がある」との警告文が表示されたが、「定型文かな」と軽く考えていたという。
ある朝、家族と同居する自宅のインターフォンが鳴った。「人狼ジャッジメントについて、思い当たる節はありますか」。訪ねてきたのは警察官だった。そのまま家宅捜索が始まり、チートに使っていたパソコンは押収された。「応対した親は驚いていた。チートをしていることは親にも話していたが、『やめとけよ』としか言われなかった」(男性)
◇「チートやってもいいことない」
逮捕はされなかったが、少年法上の「特定少年」として家裁送致され、最終的には家裁調査官による教育的措置をとった上で厳重注意処分となった。「チートが犯罪に当たるとは知っていたけど、自分がやっている程度なら許されるだろうとも思っていた」と振り返る男性。警察官や裁判官から「運営企業に大変な損害が出ている」と強い口調で言われ、「初めて自分の行為で迷惑が掛かっていたことに気付いた」という。
高校には行かなくなり、大学進学も資金が足りず諦めた。現在はフリーター。「反省はしているが、後悔はあまりしていない。チートをやってもいいことはないな、ということだけが残った」。終始、他人事のように語った。